発達性ディスカルキュリアとは

 発達性ディスカルキュリア(Developmental Dyscalculia)

 算数の学習障害(Mathematical Learning Disability)

 算数障害/計算障害

 ※ディスカリキュリアと記載されていることもあります

 

 これらは研究者や研究の領域によって異なるものとして用いられることもありますし、同義のものとして扱われることもありますが、ここでは、発達障害のひとつのタイプであるという意味で、発達性ディスカルキュリアという用語を使用することにしました。

2020年10月10日更新

2020年11月18日更新

 全般的な知的発達に遅れはありませんが、計算や文章題に著しい困難を示す子どもがいます。読みの困難とともに生じることも多いですが、読みの困難はないにも関わらず算数の困難のみが生じることがあります。発達性ディスカルキュリアのある子どもの出現率はおよそ57%(Shalev, 2007)とされ、読み障害と同じ程度の割合とされます。言葉を表す文字が言語間で異なる(例:アルファベットや漢字など)のに対して、算数・数学で用いる文字や記号は共通であるものも多く、算数の発達や困難は文化を越えた共通点も見られることが知られています。原因はまだ十分に特定されていませんが、算数にのみ困難を示す子どもの場合、数量の処理に困難のあることが分かってきています。言語やワーキングメモリなどの問題もまた算数の学習に影響を与えます。数量の処理の困難は計算、単位、時間の把握など算数のさまざまな学習に影響すると考えられています。

2020年10月10日更新